【お金のながれはすべて最終消費者へ通じている】

下請けではダメだとよく言われますね。

下請けの特徴は、他社の意思が自社の商品を決定すること。
この状態は、最終商品が順調に売れ続けていると非常に楽ですよね。まず、商品開発を自社で行う必要がありません。上位工程の会社が言うものを作っていればいいのですから。新規の顧客を獲得するための営業もいりません。上位工程の担当者との関係を維持していればいいのですから。商流を維持するためのコストが非常に安く済みます。

しかし、すべての商流は最終消費者へ通じているのです。

最終消費者の好みが変化すると、楽な状況は一変します。最終消費者が購入しなければ、最終商品は在庫になり、中間部品の生産は不要となってしまうからです。

下請けのもっとも大きな問題は、最終消費者から距離があることです。最終消費者の欲求の変化を捉えるには、当然、最終消費者と接点がなければ難しい。
下請け製造業が抱える大きな問題です。

製造業ではなく、卸売業や小売業は最終消費者により近い存在です。では、彼らは順風満帆なのでしょうか。卸売業や小売業は製造部門を持っていませんから、自社のオリジナル商品ではなく、標準品を仕入れて、販売しています。

標準品はどこから買っても、機能は同じです。

長年の付き合いで、大企業や自治体に納めていられたとしても、いつまで自社から買い続けてくれるか不安な状況なのです。最終消費者に近いので、多くの人が必要として、かつ「欲しい」と思うものが何かを感じる事が出来ます。その変化も知ることができるでしょう。
しかし、他社が作った標準品は消費者の「必要」を満たすことはできても、「欲しい」を満たすことはできない事が多いのです。