【黒字継続が大切な本当の理由】

 経営に必要なものといえば、ヒト・モノ・カネという枠組みが有名です。当然のことですが、十分なスキルを持った人材がいて、設備があって、資金に余裕があれば、経営はまず安泰です。

 ここに、現代では、情報、という項目を入れることもありますが、資金面でも人材面でもインフラ面でも情報面でもゆとりのある企業は盤石に見えます。

 しかし、忘れてはならないことがあります。こうしたゆとりのある組織を育てていくためには、経営者のどしっと腰の据わった心構え、顧客や従業員の心をグッとつかむ力が必要になってきます。

 その経営者が、日々の仕事に追われ、日々の資金管理に追われ、まるで何かに追い詰められているような余裕のない状態で仕事をしていて、上記のような落ち着いた振る舞いができるでしょうか?

 もちろん、不可能です。会社組織をより良いものにしていくためには、何よりも経営者の心の「ゆとり」が必要なのです。目の前のことしか見ることができない経営者とはなるべく付き合いたくないですし、従業員もついてきません。

 心の「ゆとり」を持つためには、何よりも経営成績が良いことが必要です。まずは黒字。しかし、すぐに赤字になるような状態では、落ち着いてもいられません。だからこそ、黒字を継続していくことが大切なのです。