【既存の取引先等、関係性のある相手先に顧客を紹介しあう】

経済学では、代替材と補完財という項目で取り扱われる内容があるそうです。たとえば、パンとご飯はお互いに主食で、同じような位置づけなので、片方を食べるとおそらくもう片方の消費量が減ってしまいます(これが代替の考え方です)。

一方で、パンとマーガリンならどうでしょうか。パンを食べるときにマーガリンを使うことを考えると、パンを食べるときにマーガリンの消費量も増えそうです。こちらが、補完の考え方です。

さて、他社と顧客の紹介をするときに重要な考え方は、後者の「補完」です。直接のライバルに自社の商品を売ってもらうことは難しいですし、まあ、まずありえないことです。しかし、たとえば、洗顔クリームを製造・販売している会社が、美顔ローラーを売っている会社の営業代理店の役割を果たせば、顧客の美容をカバーする範囲が広がります。つまり、二つの商品は補完の関係にあります。

自社の商売について行く末を考えるときには、ライバル会社は何をしているだろうか、自社で何ができるだろうか、という部分に目が行きがちです。しかし、すっと横を見てみると、自社の商品と同じ買い物かごに入りそうな事業をしている企業は決して少なくないはずです。こうした補完的な関係性のある取引先や相手先を探して、顧客を紹介し合うことで、販売のチャネルがぐんと広がるのです。