【分業のメリットを享受できるようにする】

分業のメカニズムについて、もう一度おさらいしておきましょう。5人で1つの仕事を分担して仕事をすれば、1人で仕事をするよりも早くなります。しかし、これは分業とは違います。

1つの仕事の中に、いくつかの部分を見つけて、専門化することで分業のメリットを活かすことができます。あくまでも、特定の部分に専門化するところがポイントです。

つまり、分業のメリットを享受できるような組織体制、というのは、スタッフの役割と専門性をはっきりさせる組織ということになります。

そのためには、適性を見極めることと、専門性を高めるための教育がどうしても必要になってきます。各人が役割を果たすことができなければ、組織全体として、生産性を高めることができないからです。

一方で、専門バカ、ということばがあるように、ある仕事しかできないという人ばかりになってしまうと組織に柔軟性がなくなってしまいます。ただし、これは、役割や専門性の重要さを否定するものではありません。専門バカから、専門性を抜いたら、ただのバカです。専門性を否定することには意味がありません。むしろ、役割・専門性を核としながら、他の仕事もできるようにしていく、という対応で、分業のメリットを活かしつつ、柔軟な仕事の体制を創り上げていくのです。