【企業間格差に負けるな!】
「格差社会」とはウィキペディアによると
「人間社会の構成員を階層化した際に、階層間格差が大きく、階層間の遷移が不能もしくは困難である(つまり社会的地位の変化が困難、社会移動が少なく閉鎖性が強い)状態が存在する社会」
だそうです。
格差といえば個人の問題を指すのが一般的ですが、個人にとどまらず、企業においても格差の問題は存在するのではないでしょうか。個人の「格差」の問題としてよく挙げられるのが、「格差」の固定化です。
個人の能力や努力とは無関係に、経済的な豊かさの程度が固定化されるということです。
企業においても同様の問題が指摘できるのではないでしょうか。
優れた技術や能力、人脈を有しているのに、規模を大きくすることができない・・・。
社会に広く活躍の場が提供されることがない・・・。
売上1億円規模の企業に日本の社会はとても厳しいように感じます。確かに倒産を避けるための諸施策は用意されています。
しかし規模を大きくしようと活動し始めると、そこに様々な障害がでてくるのです。
規模拡大を阻む障害、しかし、この障害を取り除くことは経営者の努力だけではできません。
金融機関に対する不満は定番中の定番ですが、金融機関が成長に十分な潤沢な資金を、売上1億円企業に貸すことができないのには理由があります。それは金融検査マニュアルの存在。金融機関の監督官庁は金融庁です。金融機関が適正な融資を実施しているか、金融庁が検査する際の基準となるのが、この金融検査マニュアル。
このマニュアルには、「償却・引当」という項目があります。その内容を要約すると、回収不能と考えられる金額が発生した場合、それを「引当金」として損失計上しなさいということ。損失が大きくなれば、結果自己資本が減少、金融機関として事業継続に関わる重要な事態を招く事になってしまいます。
売上1億円規模の会社にとって、成長するために必要な資金も、一度焦げ付けば、金融機関にとって自社のビジネスに悪影響を与えかねない、危険な貸付金になってしまうのです。ではなぜ、中小企業の成長を阻害しかねない金融検査マニュアルが存在するのでしょうか。それは日本の社会が金融システムの維持を必要としているから。仮に金融機関の貸付金に多額の回収不能額が発生し、日本の金融システムが揺らいだらどうなるか。アメリカのサブプライム問題やヨーロッパの信用不安のように社会に大きな負の影響を与えてしまうのです。
金融検査マニュアルを社会が必要としている以上、経営者の努力だけで既存の金融機関から成長に十分な潤沢な資金を借り入れる事は不可能なのです。