【会社の売上を作っている「コア」を見つける】

 仕事の機能を分化させることによって、つまり分業することによって、どの仕事が利益を生んでいるかということが見えやすくなります。

 たとえば、「自社の強み」という経営の大事な要素を訊かれて、すんなりと応えられる経営者はなかなかいません。そもそも応えるのが難しい質問であるという側面もありますが、それ以上に、会社を分解して考えたことがないので、どんな機能が一番利益を生み出しているのか、ということを見極めることができないのです。

 自社の儲ける原因となっている「コア」がわかれば、色々なことが分かります。たとえば、その「コア」を十分に生かすことができているか、と考えたときに、邪魔になっている業務がないかどうかを調べることができます。ボトルネックを探すアプローチです。次に、その「コア」の部分を支えている人材に注目しましょう。その層が薄ければ、人材が失われたときに、会社の利益が吹き飛ぶかもしれません。教育計画が必要です。その「コア」は後何年稼げるでしょうか。これによって、事業のロードマップを描き直す必要が出てくるかもしれません。

 分業、そして、その要素となっている様々な業務を観察することで、事業の「コア」を見つけることは、経営者の責務です。なんで儲かっているのかが全然分からない状態では、どのような手を打てばよいかなど、わかるはずがないのですから。