【会社と会社が信頼関係を構築するとは?】

人と人が協力し合う、ということは日常的に経験できることですが、会社と会社の付き合いの協力関係は実はあまり意識していないかもしれません。会社と会社、という話になると、競争や交渉といった言葉が頭をよぎりそうです。

人と人の付き合い同様に、会社と会社の協力には信頼関係が不可欠です。では、その信頼関係はどういったきっかけで形成され、どういったきっかけで壊れるのでしょうか。

第一に、嘘をつく、裏切る、一方的に利用する、といった行動は明らかにダメです。やるといったことをやらない、決めた期限を守らない、一方的に値下げを要求する……等、やられていやなことをすれば、会社同士の関係も壊れます。

第二に、コミュニケーションの負担を軽くするということです。仕事のなかで、一番面倒くさくて生産的でないやり取りは、「言った言わない」の話です。仮に、言った言わないのもめごとが何度か続けば、不利をこうむった方が言質を取り始めるでしょう。やはり、信頼関係が崩壊してしまいます。

第三に、互恵的であること、です。最初に、A社がどこまでやり、B社がどこまでやる、という決めごとをしていても、人間はそんなにも先のことまで完璧に見通すことができない生き物ですし、環境も変化します。最初の分担が、片方にとって、大きな負担になるようであれば、責任範囲を見直さなければ、信頼関係は確実に壊れます。不公平感がでるからです。

これらの問題を解決するためには、一つには、会社として、パートナーと「協力」するという姿勢を担当する従業員まで浸透させる必要があります。もう一つは、会社が何を大事にしていて、どういう方針で動くか、ということを従業員が共有していることです。こうすれば、パートナーが予想外の反応に驚くことは少なくなります。これはまさに、会社の考え方、価値観をはっきりと形にし、共有するということの重要性を示しています。つまり、経営理念を浸透させるということです。理念は美辞麗句ではなく、信頼のおける会社かどうかの見極めになるものでもあるのです。