【経営は部活じゃない!】

経営者にはリーダーシップが求められます。会社が一つのチームだとしたら、一丸となって、仕事を進めていく必要があります。

これは、青春時代の1ページを思い起こさせます。そう、部活です。こうした類似点から、経営者は部活の経験からリーダーシップを連想します。組織のキャプテンになればいい、と。

これはこれで間違っていません。ただし「従業員が付いてきてくれれば」という条件付きです。しかし、同じようにして空回りする経営者は少なくありません。従業員は、まず、金銭で組織とつながっています。学生の時とは違い、一人の自律した大人として強い自我を持っています。

勢いだけで彼らをリードしようとしても、見透かされます。自律した大人は、尊敬する相手がいるから、協力しようとします。この尊敬は、特別なケースでは、経営者のカリスマに向けられる場合があるでしょう。しかし、経営者が皆、特別な人間であるわけではありません。では、普通の人間である経営者はどうするべきなのでしょうか?

従業員が経営者と同じものを大切だと思っているときに、まとまりが生まれます。理念は、なにも素晴らしいお題目ではありません。組織として何を大事に考え、何をなしたいか、ということを従業員と共有するためのものです。そして、理念の共有が、従業員を組織のなかに巻き込むのです。

経営理念が必要なのは、大切な価値を共有するためです。リーダーはこの理念・価値観を一番大切に考え、その実現のために力を尽くすものです。キャプテンでは足りません。従業員の向うべき方向性を示唆し、その実現のために組織を創り上げていく人が、リーダーであり、経営者なのです。