【例えば「営業」がどういう「作業」によって結果がでているのか、見えるようにする】

 一つの仕事は、たくさんの作業あるいは工程から成っています。ここで、例として営業をとりあげてみましょう。

 営業は、自社に(顧客となりうる)人が接点を持つところから始まります。この人たちを、見込み客として発掘していきます。これは、飛び込み営業から、会社のホームページにアクセスしてきた人まで、様々な局面で接点を持った人が対象になります。

 次に、この見込み客を育てる作業が来ます。忘れないように、しかし、嫌がられないように、存在をアピールしていきます。イベントやセールの情報をメールで送ったり、対面営業なら顔見せをしたり、と距離を縮めていきます。

 そして、商品についてのプレゼンテーションです。ここでは、商品に興味を持った人に、いわゆる営業トークをします。

 最後に、クロージング。営業の仕事の締めです。

 細かく見ていけば、もっと分類はあるかもしれませんし、事業の特性によってはまた営業の形態は違うかもしれません。しかし、根本的に「営業」と呼ばれる仕事は、複数の段階から成立している事は間違いないでしょう。

 仕事を可視化するためには、その複数の段階をきっちりと切り出して、段階ごとに目的・手段そして効果の計測を行う必要があります。中小企業でも高額な営業業務支援ソフトを導入するところもあるようです。しかし、業務支援システムは、何もIT化したから全て解決するというものではなく、業務も「見える」ようにするから変わるのです。逆に、ITがなくても、業務の見方を変えることは十分可能で、業務の「見える」化が組織をがらりと変える事にもなるのです。